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鍼灸の歴史

 日本の鍼灸の歴史と現況

​ 鍼灸の歴史は数千年と言われております。我が国には、6世紀頃中国より渡来し、奈良時代の医制に「鍼師」・「鍼博士」・「鍼生」の記録が残っています。以来、鍼灸・漢方は本邦の主流医学でしたが、明治に入り政府は西洋医学を取り入れ西洋医学中心の医療制度としました。中国、韓国は以前より伝統医学の良さを生かして東西両医学の合作がなされ、病院では外科・内科と並んで「鍼灸科」が設置されています。また、米国でも34州以上で鍼師の資格制度があり年間1千万人以上の人が治療を受けています。

鍼灸が弱った身体に活力を与えます

 古書に「未病治」という言葉が書かれています。「症状として体に現れる前に治す」と言う意味で予防医学の重要性を説いています。体の不調や、つらい症状を前もって治療することが大切です。

鍼灸医学の特徴

鍼灸医学の特徴

全身的な治療により経絡(生体エネルギー)の調整によって副作用も少なく自己治癒力の増強を促して健康増進・疾病予防・病気の治療に効果を発揮します。最近では、西洋医学の補完・代替医療としてその効果を再確認されつつあります。

鍼灸適応疾患

鍼灸適応疾患

WHO(世界保健機関)で鍼灸療法の有効性を認めた病名を挙げます

 脳卒中後遺症、偏頭痛、頭痛、顔面神経麻痺、※神経痛、胃炎、腸炎、胃下垂、胃酸過多、十二指腸潰瘍、便秘、下痢、※腰痛、※頚腕症候群、肩関節周囲炎、※五十肩、テニス肘、関節炎、※関節リウマチ、※頚椎捻挫後遺症、感冒、気管支炎、気管支喘息、夜尿症、小児喘息、急性結膜炎、近視、白内障、メニエール氏病、鼻炎、副鼻腔炎、偏頭炎等

※印は医師の同意書により健康保険が適用されます。詳しくはお問い合わせ下さい。
(公社)日本鍼灸師会は、スポーツ傷害・婦人科疾患・小児夜泣き、夜尿症・自律神経失調等にも鍼灸治療を推奨しています。

鍼灸治療が特に得意とする症状

得意とする症状

 頭痛・頭重・不眠・疲れ目・歯痛・めまい、立ちくらみ・寝違い・肩こり・手のシビレ・筋肉痛・肘の痛み・腰痛・腰から足に掛けて痛む・膝痛・こむらがえり・足のむくみ、疲れ・吐き気・胃痛・胸やけ・食欲不振・便秘・下痢・風邪の症状・冷え性・のぼせ・生理痛・精神的ストレスからくる諸症状・眼精疲労などです。

≪生活習慣病は早期に治療するのが最良≫

生活習慣病には発症予防として、また重症となる前に早期の鍼灸治療をお勧めします。

お灸の話

お灸の話

 皮膚に灸痕が残る直接灸は、昔に比べて少なくなりました。しかし健康維持・膝痛、腰痛、胃腸病、肩こり等に非常に効果のある治療法です。灸痕の殆んど残らない糸状灸やソフトな知熱灸が好まれています。

温灸が心地よい!
温和な刺激で心地よい温灸がブームになっています。皮膚との間に隔物を入れるものや鍼の頭に艾をセットする灸頭針等があります。体力の非常に弱った状態、全身或いは局所の冷え、慢性病、自律神経の機能低下等に特に効果があります。

鍼灸に対するよくある質問

1、鍼は痛くないですか?
 ごく細いハリを特殊な手技で刺入しますので無痛に近く、また出血もほとんどありません。
2、 鍼の消毒が心配ですが?
 (1)鍼、器具等の消毒は、高圧蒸気滅菌装置を用いてあらゆる細菌、ウイルスを滅菌しています。

   エイズ、肝炎、MRSA等の感染には特段の注意をはらっています。
 (2)使い捨てのディスポ鍼も普及していますので安心して治療をお受け下さい。

鍼灸の効果のしくみ

効果のしくみ

(1)総合的に鍼灸刺激が自律神経系、内分泌系、免疫系に作用して生体の恒常性の改善につながると言われ

  ております。
(2)鎮痛作用は次の諸説が有ります。
 ●ゲートコントロールセオリー 鍼刺激が脊髄で痛みを抑制します。
 ●エンドルフィン 鍼刺激がモルヒネ様物質を生成し痛みを抑制します。
 ●末梢神経遮断効果 鍼刺激が痛みの神経に伝わる興奮(インパルス)を遮断します。
 ●経穴(ツボ)の刺激で、痛みを自覚する痛覚の閾値が上昇し結果的に痛みを抑制します。
 ●血液循環改善 筋肉の緊張をゆるめて血液循環の改善と冷えをとります。

経穴(ツボ)や縦の系統(経絡)の働きを科学的方法で解明すべく多くの鍼灸関連の大学、研究機関で現在も研究が進められています。

その他のご注意・参考として

1、人によっては鍼灸治療後に、身体がだるく感じたり、また軽い脳貧血のようなめまいなどを感じることが有ります。これは症状が悪化したわけでは有りませんので安静にしていれば殆んど良くなります。

2、治療直後の入浴は、なるべくお控え下さい。2~3時間後であれば問題ないです。

3、鍼治療の直後にその部分が少し盛り上がることが有ります。少量の内出血ですから指先で軽く押していただければ直におさまります。まれに後日、紫色の出血班が出ることが有りますが4~5日で消失しますのでご心配は無用です。

4、初診の方の次回の治療日については症状にもよりますが2~3日後程度に再来院されることをお勧めします。初診の治療成果の確認と今後の刺激程度、治療計画等を決めるために必要です。但し、翌日も続けたほうが良い場合もあります。

5、 一回で効果が全く認められない場合でもあきらめず治療を続けられることをお勧めします。身体の自然治癒力がゆっくりと機能して複数回の治療後に急に症状が改善されることがあります。

6、医師との併用治療や精密検査について疑問をお持ちの場合は、ご遠慮無くご相談下さい。

習慣性や副作用

習慣性や副作用について

 鍼灸は、経穴(ツボ)を刺激して経絡の気血(生体エネルギー)の流れを良くして体調を整えますので習慣性はありません。また、数千年の長い歴史の中で経験の積み重ねによって体系づけられてきていますので、危険な方法は淘汰され副作用も少なく安全な治療法といえます。

鍼灸の資格

 鍼灸師は、専門学校或いは鍼灸大学で3~4年西洋医学、東洋医学の教育と実技を履修した後、国家試験に合格し資格免許が与えられます。

 ※厚生労働省免許保有証を持っておられる先生もおられます。ただし、こちらは任意で発行されるカードです。

※最近は無資格で営業している者もありますのでご注意下さい。本会会員はすべて有資格者です。

THE KYOTO ACUPUNCTURE&MOXIBUSTION ASSOCIATION,

A PUBLIC INTEREST ASSISTANCE CORPORATION (KAMAPIAC) 

(公社)京都府鍼灸師会 学術部 監修

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